Kim & Jessie & ......

見つけてもそっとしておいてください……。

借りパク 後編

 ゴミ小説も最後になりました。

トラウマ供養のために、今晩も深夜テンションで書き切っていきます。

 

ufowohakken.hateblo.jp

 

 

ufowohakken.hateblo.jp

 

〜〜〜

透き通った水、整理された小物、喉が潤される感覚、すべてのものは尊いのに、どうしてこんなにも、私と私の周りの人間は醜い?

人間関係とそれに付随する感情だけが、こんなにも煩わしく醜く不条理。

それ以外は、完璧と言っていいほど心内は整理されている。

 

不条理なものには怒りを感じて当然なのだが、その感情自体が煩わしいので一生脱出することのできない入れ子構造になっているんだ。

 

漫画の存在が気に止まった、手にとって適当なページを開いたところで、短編集になっていることに気づいた。

 

 

ある女性は、化石や地質を研究していたが、不倫の末に姿を消した。

その消え方が見事で、どうなったかというと、突然、家が倒壊したのだ。

音も立てず、屋根からくしゃっと崩れた。死体は発見されなかった。

 

 

 

「いつかは枯れる花に 水をやるのはもうやめるの

 あの人と行こうと決めた場所では そんなものは必要ない

 そこは完全なものしか存在しない 結晶の 恒久の世界」

 

 

 

 

 

この人が尊いと思うものの範囲は私より狭いけど、抱えてる苦悩はおそらく同じだし、私もいつかこの人たちと同じ結論に至るのだろうか、と考えていたら、

 

完全に思い出した。

 

秘めた、最悪に煩わしくて醜いものを、掘り起こしてしまった。

 

 

 

この漫画は、振られた男性に貸していたものだった。

しかもあろうことか、振られた後に本当に、本当にもう誰が聞いても呆れるようなどうでも良い理由ですっかり険悪になり関係性はこじれにこじれ、男性はそのコミュニティを離脱した、私も寄り付かなくなった。

 

 

お前、忘れるのが本当に得意だよな、

この漫画、自分のものじゃない、好みじゃないとか考えてたくせに

 

 

 

生物ではない主体に敵意を向けられていると感じたのは初めてだった。

 

 

自分だけ達観したこと言ってるつもりになって、己の不器用さは棚上げか?

振られた後、どんなことをしていた?どんな顛末を迎えたか。

こんな風に、漫画にでもまとめたら笑えるかもしれない。

でも

 

行けるのは結晶の世界じゃないだろう

 

せいぜい自意識の下敷きで圧迫死、そんなオチだろうねー

 

 

 

 

そうだね。

 

 

 

 

〜〜〜

 

当方たくましい女子大生、自ら本棚のネジを外し解体を始める。

もう夜中の1時だった。

 

でも寝れないのだ。作業を進めるしかない。

 

本棚の裏には、紛失し忘れていたものがいくつもあった。

下着も一つ出てきた。保科さんのところに取り返す気にはサラサラなれないけど。

 

年賀状、も出てきた。糸くず。画鋲。

 

そして永井均の入門書も本棚の裏に落ちていたのだ。

 

こんなに小さく分量の少ない本だったか、と思いつつパラパラめくってみる。

正直言って退屈そうだった。

 

メモが挟まってあった。

数年前の私の字は、いまよりくせが強いように感じた。

 

 

「地獄とは他人に他ならない サルトル

 

 

 

あまりに、都合の良い格言だった。この本を読んでいた時、おそらく私は振られた直後だったのではないか。

実存主義なんて高尚なものを、しょうもない行為の正当化に使ってしまっている、その魂胆が見え見えの、卑劣さ、醜さ低俗さが凝縮された紙切れだと思った。

 

これを手放さなくてはならない。本当に自意識で圧迫死してしまう。

 

 

 

朝の4時。ゴミ袋の口を閉じて玄関先に出そうと階段をおりた。メモは保科さんのポストに入れた。

 

 

 

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引用は漆原友紀のフィラメントです。