Kim & Jessie & ......

見つけてもそっとしておいてください……。

幼な子われらに生まれ(ネタバレ)

家族を描いた作品は苦手だ。

家族、友情、学園モノなどは、イデオロギーに満ちた作品が多くて見ていてしんどくなってしまう。そんな中、「幼な子われらに生まれ」は一風違ったので、感想をテキトーにまとめておくことにしました。

 

離婚を人生プランに組み込もう

主役の家族の父親(浅野忠信)と母親(田中麗奈)は、双方が一度離婚し再婚している。母、田中麗奈の方は昔から存在する離婚というか、原因が元夫がDVだった。一方父、浅野忠信は最近になって一般化してきた離婚だ。元妻が仕事に専念したいがために、理想の家族像にズレが生じて離婚したのだ。

この、「浅野忠信型離婚」は今後もっと増えるだろうし、自分も経験する可能性が大いにある。

大学一年の頃ジェンダー論の講義で、いまの時代離婚も人生設計に含めましょうと先生が話していたが、まさしく後者の離婚を経験する夫婦が増加するため、この先生の話は正しかったんだ、とまじまじ思った。

世知辛い世の中になったもんだ。

 

最近の子供はませている

浅野忠信の元妻(寺島しのぶ)との娘、沙織が素晴らしい。

沙織は、継父の危篤に際し(継父は癌)、学校の先生や近所のおじさんが死ぬみたいな感慨しか生じないと話す。実母が亡くなる想像をしたら、胸がすごく痛くなるのに、なんでだろう、継父に申し訳ない、と罪悪感を感じていることを実父の浅野忠信にボヤく......!うっ......!胸が痛い!大人の事情である離婚によって、無駄に傷つき必要のない罪悪感を感じる子供......小学校高学年の女の子にこんな感情を抱かせる環境を作ってしまった大人たち、深く深く反省すべきなのでは。

と感じたが、少し撤回。実際、どうなんだろう。今後は、こうしたフクザツな環境がもっと増え、沙織の感じたような葛藤が「流される」社会になっていくんだろうか。

家族の形を血のつながりによって規定することは、現在良しとされる人権意識とはズレている。しかし、自由な家族の形態が認められれば認められるほど、大人の事情に翻弄される子供たちが増える。そして子供達は、触れてはいけない事項があることを、どんどん察するようになる。空気を読むスキルが求められ、マセガキになってく。いわば、一億総子役社会か。この表現上手くないですか。

沙織は、浅野忠信田中麗奈(現在の妻)の娘に対し、私はおじさん(浅野のこと)の友達だよ、と言う。本当の娘だと言えないことを察し、機転を効かせた沙織は、時代の子だなあという印象を持った。

 

家族のあり方を血のつながりで規定することにはやっぱり反対なので、フクザツな感情を抱く子供が増えるのは仕方ないんだけど、そんな子供達が問題なく成長できるように、シェルターを準備してあげることは、大人の責務かもしれない。具体案は全くないが。

そして、自分は離婚しない親の元で育って良かったなあと、他人ごとのように思うことも、そうしたフクザツな子供たちを生きづらくするんだろう。これは、いじめだとか差別だとかの根幹にある感情と、通じているような気がする。

無意識だが、他人を傷つける可能性のある感情には、自覚的にならなくては。もう大人なので。配慮ある人間になりたい......。

 

子供を作るかどうかは二人の問題ではなく(今の所)女性の問題だ

昔からなんだけど、子供がたくさん欲しい!と無邪気に言う男性を信頼できない。アレルギー反応を起こす。浅はかだ、きっと他のことでも話の食い違いを起こし、分かり合えないに違いない、と。

出産は、まず「物理的に」絶対痛い。想像しただけでめちゃめちゃ痛い。そんな痛みを、一度だって経験したくもないのに、2回3回経験するなんてありえないと思っている。その辺の恐怖が(私が敏感すぎるのかもしれないが)伝わらない人がいる。

あと、簡単に、子供産みたい〜〜と言える女性もすごい。そういう人には絶対痛いよ!?と言うと、女性の場合大体伝わって嬉しい。それでも、やっぱり経験しときたいよね!って言うから尊敬だ。

妊娠に関しても、10ヶ月10日自分以外の生命が体にいて、気を遣って生活しなくてはならない。今の私にそんなストレス耐性はあるか?今後醸成されるのか!?無理っぽいでしょう......。

 

元妻が勝手に浅野との子供を堕し、それが原因で離婚に至ったというシーンがある。個人的には、元妻の行動に賛成する。

離婚が人生設計に組み込まれる現代、子供は一人で育てる可能性が格段に上がる。シングルマザーは多い。

妊娠と出産のストレス、一人で子育てするリスク、この二つから子供を作るかどうかは夫婦の問題ではなく、女性の意志が絶対優先されるべきだ。

この確信を得られたことが、この映画の最大の収穫かもしれない。

 

補足 どすの利いた声で怒りたい

浅野が声を荒げて怒るシーンが、実家にいた頃を思い出させた。普段穏やかな父親が出す、突然の怒鳴り声は、威力がある。田中麗奈の演技も、ちょうどこうるさい母親の怒り方を上手く再現していて、あー家族の雰囲気が険悪な時ってこんな感じだったなと思い出した。

威力のある怒り方をしたい。舐められない怒り方についてコツを考えました。

・普段おとなしい。滅多に怒らない。←クリア。

・怒るタイミングを見極める。←結構難しい。

・イライラを少しずつ出す。←できない。

・声量を抑えて綺麗な言葉で怒る。←できない。

 難しいし、そもそもそんな怒る機会がないので、実践で試せない。怒る機会がないと言うことは練習もできない。不器用に喚き散らす女はそろそろ卒業したいですね......。

 

補足2 宮藤官九郎が好き

田中麗奈の元夫を演じていたのが宮藤官九郎だ。顔が可愛いので前から好きなんだけど、この役もよかった。また、セリフの一つが印象に残ったのでメモする。

田中麗奈との結婚生活に関して、家に着こうという時、部屋の電気がついているのが耐えられなかった。部屋で子供や妻が待っているのが耐えられなくて駅に引き返した。何かあった時に、妻や子供がすがってくる。これが耐えられない。うっとおしい。

要旨はこんな感じだ。

うちの父親も、パソコン修理とか進学手続きとか、自分で頑張れば対処できることを沢山家族にすがられてた気がする。きっとストレスではちきれそうだっただろうな、と大人になって思う。

もう大人なので、これから私が家族に頼ることは格段に少なくなるだろう。機械の修理も自分でしなくてはならない。

家で酒ばっか飲んで、何が父親の責任は重いだよ、と反感を抱いてたけど、こういう耐えられなさか〜と思った。

 

家族は、一人一人のストレスと配慮、愛情の総体だ。

愛情が欠けたら崩壊する。